夢の中まで

好きだから崇めるスタイル

2020年17月23日の話

昨日、NEWSのツアーが終わった。昨日は、2021年5月23日ではなく、2020年17月23日だった。

 

2020年。わたしたちには東京オリンピックがあった。かけがえのない学校生活、飲み会、旅行、大切な人との時間があった。それと、NEWS LIVE TOUR 2020「STORY」があった。

でも、どれもこれもなくなってしまった。それ以上に、4つのピースのうちの一つを、わたしたちは失ってしまった。夢見たあの場所へ、全員で行くことは叶わなくなってしまった。これを絶望というのか。2020年はわたしにとって、失われた1年だった。

 

わたしの2020年を取り戻そうとしても、世界はそんなに優しくなかった。彼らが見せたかったものを見るまでには相当な時間がかかってしまった。一生見れないのかとまで覚悟した。でも、わたしの2020年は取り戻せた。加藤シゲアキが「STORY 2020」とスプレーで書いた文字の最後に徐にバツを書いて、隣に「1」と書いたあの瞬間、わたしはやっと年を越すことができた。持ってきていた絶望、不安、悲しみ、そんなもん全部2020年に置いていけ、と言わんばかりに、大きく書いた「1」は、これから彼らが見せてくれる未来への第一歩だと確信した。ようやく、ようやくここまで来れた。長く辛く、険しい道のりだったけれど、こうやって同じ景色を見ることができて本当に幸せだった。

 

4年前、初めてステージに汽車が浮かび上がった時、「ホグワーツじゃ〜ん!」とえらく感動したことを鮮明に覚えている。3年前、激動の一年も乗り越えて、泣きながら拳を突き上げて大声でU R not aloneを歌ったことを鮮明に覚えている。2年前、ステージ上で水を蹴り上げる増田さんの水を浴びたいと心から祈ったことを鮮明に覚えている。1年前、無観客の会場で「ずっと同じ景色見てきたね 君がいるから幸せ」と歌わなかったことを鮮明に覚えている。この間にわたしもわたしの人生を歩み、いろいろな経験をした。それでも、そこにはいつでもNEWSがいて、この4部作が完結する日を夢見てきた。増田さんが何気なく言った夢が、増田さんの夢になり、NEWSの夢になり、NEWSを支える人の夢になり、わたしの夢にもなった。同じ夢を共有してきたこの5年間は、その過程だけで、かけがえのない宝物になった。同じ夢を追う苦しみ、悲しみ、本人達に匹敵することは到底無いけれど、それでも彼らは私たちにずっと「ついてきてくれてありがとう」と伝え続けてくれていた。一緒に苦しみ、もがいて、辛い思いをしてたどり着いた2020年最後の日は、わたしのなかで2020年の中で1番忘れられない日になった。わたしが1番嬉しかったのは、この夢を最初に描いた増田さんが、最後の曲を笑顔で歌い終わったことだった。ああ、この笑顔を見るために、わたしはオタクやってたんだなあ、としみじみしてしまった。その笑顔と、この景色を見せてくれてありがとう。テレビの前で嗚咽しながら、手を振った。

 

「ずっとこの仕事を続けていきたい、NEWSで。」

 

わたしの夢は

「ずっとオタクでいたい、増田貴久、そしてNEWSの。」

かな。