夢の中まで

好きだから崇めるスタイル

いいともがくれた「夢の時間」


今まであった当たり前のもの、それが無くなる寂しさ、そして怖さ。

2014年3月31日、32年間続いた「笑っていいとも!」が惜しまれつつも終了しました。

私はまだ18歳なので、いいともが無い世界というのを生きたことがなかったので、寂しさよりもどこかに怖さがありました。

10月に発表があってから、私は「いいともが終わる」という事実は知っていても、実感が無いという状態でした。
いいともって永遠に続くと思っていた。あって当たり前。そんな番組だったので、タモリさんがいないお昼なんていうものが想像できなかった。

正直そこまで真剣にいいともを見ていたわけではなかったのですが(バナナマンさんが出る火曜日は毎週録画してました)残りの回数が減っていくのにつれて、「いいともが終わる」という信じられなかった事実にどんどん現実味が帯びてきて、なんとも言えない寂しさがずっと胸にありました。

ラスト一週は全部録画してきっちり全部見ました。たけしさんの読んだ表彰状とかたまらなかった。

そして迎えたグランドフィナーレ。
その中で突然訪れたあの時間。一お笑いファンの私ですらテレビの前で「すごいことが起こっている…」と震えていました。あんなのもう見れない。絶対!!
さんまさんが暴走して喋り倒している中に乱入してきたダウンタウンウッチャンナンチャン。それに続いて入ってくるとんねるず爆笑問題ナインティナイン。なんだこれは!!お笑いの伝説を作った人たちが一同に会する夢のような時間が目の前で繰り広げられていて、こんなことあるんだ…と興奮しました。
ここにいる伝説を作った人たちが全員いいともを経ている、という事実もすごいなと思ったし、いいともだからこそ実現できたあの時間、あの場所だったんだなと思いました。あの空間にいた方々本当に羨ましい…!

もう一つ、レギュラー陣によるスピーチ。
あの場で芸人としてきっちり仕事をしたバナナマンさんと劇団ひとりさんにはほんとにね、よくやったと言いたい!完全に上から目線になってしまって申し訳ないですが!!!
いろんな芸人さんもおっしゃってますが、あそこであれをやれるのはほんとにすごいなと思いました。かっこいい、何より。

あと、私が忘れられないのは、SMAPの香取さん、そして笑福亭鶴瓶さんのスピーチです。様々なところで文字起こしされたりして、完全に今更感が漂ってしまうのですが、私もこのスピーチは本当に感動しました。

「そもそもなんで終わるんですか」

香取さんがおっしゃったこの言葉。
様々な理由があって、終わらなきゃいけなくて、そんなこと分かってる、答えはいらないし、無くていい。きっとそれは望んだ答えではないし、今まで当たり前のようにあったいいともがなくなってしまうという事実が変わることはない。どれだけ香取さんがこのいいともという番組を愛していたのかが分かる一言だったのではないか、と思います。
嫌なこともたくさんあって、笑うのが辛くて、そんな時もあったけれど「笑っていいとも」では笑うことができた。これは香取さんだけではなく、国民みんなに言えることなんじゃないでしょうか。学校に行きたくなくて、わがままを言って休んで、ぼーっとしながら家にいた時でも、12時になれば何も考えずに笑わせてくれるタモリさんが階段を降りてくる。そんな日が私にもありました。きっと私だけじゃないはずです。香取さんの言葉によって改めて「笑っていいとも」という番組の偉大さに気づかされました。

タモリは芸人にとって港のような人。この人の番組を終わらせるなら、またこの人の番組をフジテレビは作らなければならない。じゃないと芸人は可哀想だ。」

ニュアンスで申し訳ないのですが、鶴瓶さんの言葉をお借りしました。
多くの芸能人の方がいいともに出ることを一つのステータス、と考えているということはよく耳にしました。芸人さんも初めていいともに出た時のことをお話される方が多いので、きっとみなさんいいともに対する思い入れが強いんだなーとよく感じます。
タモリさんは西も東も関係なくたくさんの芸人さんに慕われていて、だからこそあの夢のような空間が出来上がったと思うし、きっとあの空間にいた芸人さん以外にも本当にたくさんの人がタモリさんを慕っていらっしゃると思います。それはなぜだろう?と考えても、私は芸人さんではないし、芸人さんしか分からないことな気がするのでここでは触れませんが、鶴瓶さんが港に例えたタモリさんにはきっと、テレビ越しだけでは伝わらない魅力が本当にたくさんあるんだろうなーと思います。その港があったからこそ、いいともにはたくさんの芸能人の方が集まり、あれだけ大きな番組になっただろな、と感じました。

1982年から32年間という長い間、第一線で輝き続けた「笑っていいとも!」という番組は、これから伝説として残って行くことでしょう。その伝説の番組と共に同じ時間を過ごせたことをとても幸せに思います。テレビの一時代が終わり、また始まる。そんな瞬間に巡り会えた気がします。タモリさん、レギュラー陣のみなさん、本当に長い間お疲れ様でした。夢を見させてくれた「笑っていいとも!」という番組を、どうもありがとうございました。