夢の中まで

好きだから崇めるスタイル

「関ジャニ∞の渋谷すばる」がいない世界へ

まただ。

 


また忘れていたんだ。この感じ。

二度と味わいたくないと思っていた、この気持ち。

 


4月15日、関ジャニ∞から渋谷すばるくんが脱退することを発表しました。

あまりに突然で、残酷な「大切なお知らせ」。信じられない気持ちで、というか信じたくなくて、一夜を明かしました。


昨日は自分の気持ちを整理するのに精一杯で、苦しすぎたのですが、なんとか今日も生きています。「渋谷すばる関ジャニ∞を脱退した」というたった一つの事実があるだけで、目の前に広がる風景がこんなにも変わるのか。何もかもが、4月14日とは違っていて、何もかもがなんだかモノクロみたいに見えて、私がシンガーソングライターだったらいい歌詞書けるのかもしれないけど、シンガーソングライターじゃないので、ブログ書きます。

 


正直言って、私が最初に抱いた感想は「あまりにも身勝手だな」というものでした。

長年応援して来てくれたファンを置いてまで、自分の夢を取るのか。私たちのことはどうでもいいのか。残されたメンバーのことは、残された私たちのことは。

「僕は抜けて6人になりますが、6人の関ジャニ∞も応援してあげてください」

ふざけんな。7人の関ジャニ∞が好きになって、応援してたのに、それを勝手に自分でぶち壊しといて何が「応援してあげてください」だよ。納得できるかよ。そんな物分かり良くないから。嫌なことは嫌っていう性格だから。はいはいって頷くほど従順な良いファンじゃないから。

 


「相談して決めました」

そういうけど、私たちがその相談の場に呼ばれたことは一度もないわけだよ。当たり前なんだけど。本人たちは納得してるけど、こっちに対しては事後報告なわけで。それで、まるっきり納得しろなんて傲慢だろ、私は納得できないから。まだ。

 


昨日の私は本当に心が荒んでいた。なにせ口が悪い。でも寂しすぎて、信じたくなくて、とにかく嘘であってほしい。その思いだけ、私の心には渦巻いていました。

 


どれだけ大切な存在だったか。私の好きになった関ジャニ∞では、いつも真ん中ですばるくんが歌っていた。すばるくんがギターを弾いていた。ハープを弾いていた。いつも真ん中ですばるくんが喋っていた。いつも真ん中ですばるくんが笑っていた。

 


私の好きだった「関ジャニ∞」は、もう見れなくなった。

 


すばるくんのここが好きだった。すばるくんと一緒にいるメンバーのここが好きだった。そんなことを思い出せば溢れ出てくるだけで、「失ってからじゃないと気づかない」私はなんてバカなんだ。思い出しても、それはもう二度と見ることのできない光景。悔しい。本当に悔しい。

 


前にも、この気持ちを味わった。大好きだった6人のNEWSが、4人になった時だ。

その時も、なんでもっとライブに行かなかったんだろう。なんでもっと好きって言わなかったんだろう。こんな思いが無限に溢れ出て来て、「もうこんな思いはしたくない」と、心の底から思った。その穴が埋まるまで、本当に長い時間がかかった。私は、この後悔はもう二度と感じたくないと心の底から思い、ファンとして行けるライブには全部行く、後悔しないように命をかけて応援すると、心に誓ったはずだった。

 


実際に私はそのポリシーに基づいて行動していたはずだった。たくさんライブにも行った。たくさんCDも買った。全力で、後悔しないように、応援していたはずだった。でも結局、同じ気持ちになった。忘れてた、「もうこんな思いはしたくない」と思ってた、あの気持ちに、またさせられた。

 


結局、ダメだった。結局後悔した。もっとやれることがあったんじゃないか。あの時のライブ、もっといっぱい行けたんじゃないか。私はたぶん、ライブ全ステしても、CD全種類買っても、どんなに必死に応援しても、結局後悔するんだと思う。ジャニーズが好きな限り、この気持ちから離れることは絶対にできない。こんな思いをするくらいなら、好きにならなきゃよかった。

 


だけど、好きにならなきゃ感じられなかった楽しさを、彼は計り知れないくらいくれた。

初めて関ジャニ∞のライブに行った時、小さい体で必死に歌うすばるくんがかっこいいと思った。大倉くんと楽しそうにはしゃぐ姿が、ドラムと目配せするあの瞬間が、私は好きだった。ライブで誰より大きい声を出して、私たちを煽ってくれるのはすばるくんだった。拳を突き上げ、心から叫んだあの日も、すばるくんは私たちに道しるべを示すかのように、歌っていた。私たちに一人じゃないと言ってくれたのも、また会おうと言ってくれたのも、すばるくんだった。

 


これこそ、忘れちゃいけないものだよ。すばるくんが私にくれたもの、楽しませてくれた時間、どれだけ多いんだよ。いくら後悔したって遅いけど、私は「忘れないこと」はできる。今までもらった思い出を、大切にしていくことができる。それしかできないけど、それならできる。

 


当然、全部納得することなんてまだ到底できないけど、私の中では昨日から一歩進めた。寂しさと怒りしかなかった昨日よりは、たぶん前進している、はず。

 


そして、一人の人間として、すごく羨ましいとも思えるようになった。

「歌を極めたい」36歳のその決断は、自分を守ってくれる恵まれた環境をかなぐり捨ててでも、叶えたい夢だったらしい。そこまで夢中になれるものを、人生の中で見つけられる人は、ほんの一部だと思う。私はまだ見つけられていない。何に死ぬ気になればいいのか、私はまだわからない。羨ましい。私も、何もかもを捨ててでも、叶えたい夢に出会いたい。

 


「男の決断として」「ひとりの人間として」

会見に出席したメンバーは、こう繰り返した。昨日の私は、「いやそんなもん関係ないからもっと全力で止めに行けよ」と思っていた。でも、今日の私ならなんとなくわかる。そこまで本気になれる夢を、幼馴染が持っていたら、私もきっと止めないだろう。渋谷すばるの人生は渋谷すばるの人生であり、他の誰のものでもない。アイドルを応援していると忘れがちになってしまうけど、彼らの人生を阻害する権利は、私たちにも、事務所にも、メンバーにも無い。なんでだか、自分たちのために生きてくれるはず、と思ってしまっている。私たちの幸せと彼らの幸せは違う。私たちも「1人の人間として」アイドルを見なければいけない。そのことを痛感した、一件でした。

 


関ジャニ∞渋谷すばる」を見ることができて、幸せでした。同じ時代を生きてくれてありがとう。私たちの前で歌を歌ってくれてありがとう。たぶん、心からそういうにはまだ時間がかかりそうですが、とりあえず。