夢の中まで

好きだから崇めるスタイル

「Berryz工房ラストコンサート2015 Berryz工房行くべぇ~!」でアイドルの幸せを考えた

 

2014年8月2日、Berryz工房は無期限の活動停止を発表した。そこから約7ヶ月、私はBerryzがいない未来を考えることを避けてきた。というか想像ができなかった。幸運なことにもラストコンサートのチケットを手に入れ、Berryzの最後を見届けることができた。

Berryzのライブは最後という感じは一切しなかった。とにかく盛り上がった。そしてファンにはたまらない曲も多く披露してくれた。Berryz工房のメンバー自身も「最後って感じしないね!」と何度も口にしていた。そのたび私も「最後って感じしないな、本当に最後なのか?もしかしたらドッキリで、本当は明日も同じように夏JUMP!って歌ってくれるのではないか?」なんて思ったりしていた。1曲1曲過ぎるたび、「終わり」という言葉が現実味を帯びてくる。怖い、やだ。嘘だ。自分の中では納得してここまで来たと思っていたけど、だめだった。

本編が終わり、ファンによる精一杯の「Berryzいくべ!」コール。モニターにはファンの人たちが今までの感謝を伝えるために持ってきたボードなどが写されていた。ここで私の涙腺は決壊。今まで一方的にもらっていた愛を返したい、その気持ちがめちゃめちゃ伝わってきて、もう泣きじゃくった。

アンコールにこたえて出てきた7人。一人ひとりのあいさつの時間。12年間の感謝の気持ちを涙ながらに述べるメンバー。すべて胸を打った。彼女たちがここまで突っ走て来た軌跡は、きっとあの場にいたすべての人が忘れることはないだろう。中でも私が一番胸を打ったのは、須藤茉麻さんの言葉だった。

「12年前の6月30日、もしもう一度あの時に戻っても、私はもう一度オーディションを受けます」

この須藤さんの言葉で「ああ私はこの人たちを応援してきたのは間違いじゃなかったんだなあ」と思った。彼女がアイドルを幸せに思ってやってきたんだと思うとすごくうれしくて、安心した。アイドルは一方的にファンのために身を呈して夢を見させてくれている。もちろん私たちはこの見返りとしてCDを買ったりライブに行ったりしてお金を落とすわけだが、アイドルの努力というのは私たちが見えないところでも確実になされている。その負担はおそらく私がアイドルに捧げる時間とは比べ物にならないものだと思う。辛さも、いやだと思うことも数多あるだろう。そういうことを考えると、「夢を見させてもらってるファンは幸せをもらっているが、彼女たちは本当に幸せなのだろうか?」と厚かましくも考えてしまうことがある。私は彼女たちの幸せが一番だと思う。お前はどの立場からものを言っているんだと思われると思うが、私の好きな子が、幸せなら、それは私の幸せでもある。ほんとに。気持ち悪いかもしれないけど。だから、須藤さんがここまでやってきたことに後悔無く、Berryz工房の一員としてアイドルという職業が幸せだったと思えるのはすごく嬉しかった。最後にその言葉が聞けて、嬉しかった。

このBerryzの活動休止は前向きなものだ、とメンバーは7ヶ月何度も繰り返してきた。前向きな活動休止ってなんだよ、Berryzが見られなくなることに変わりはないじゃないか!といらだった自分もいた。ただそれは、ファン側の自分勝手な意見だ。アイドルだって人間だし、選びたい道はある。アイドルはファンだけのものじゃない。アイドル自身が本当にやりたいことだってもちろんあるのだ。それが彼女たちの「幸せ」につながる。私はそう信じたい。アイドルであった彼女たちは、たいそういろいろなものに縛られてきただろう。ファンのために、ファンを幸せにするために。そんな彼女たちの幸せを今度は私たちが願う番なのではないかと思う。これから歩んでいくそれぞれの道に、多くの幸せがありますように。私はそう思いながら、彼女たちを見送った。